家づくりの経緯(5)情報戦だ!-how編(1)-
敢えてネットで情報収集をしないで家づくりの検討を始めた私たち。
本腰を入れて家づくりを進めることを決め、本格的な情報収集に着手します。
1.同志を探そう on the web
当面のテーマはリビングを作らない家づくり。
ただ、世に出ている新築の家はだいたいリビングがあります。
リビングなしの家とはどういったものがあるか、
グーグル検索にかけてみてもリビング階段の是非とか、リビングにテレビがいる・いらないの話しか出てきません。
(今検索したことろ、何件かリビング不要論的なページがヒットしましたが)
試しに動画サイトならどうだとYouTubeの検索にかけたところ、後悔するリビングづくりなる動画を発見。
どんなもんじゃろと再生してみます。
2.テレスクリーンからの提案
動画で紹介されていたのは
「暗い/明るすぎるリビング」が後悔するリビングで、
解決策として「程よい採光・通風が採れる天窓」を採用しましょう。
といった内容。
まず明暗度合いが不適切で後悔するという点は納得するのですが、
解決策として天窓は防水性の観点からして弱部になるし、夏は太陽光を過剰に取り入れるし。立地条件によって変わるけれど、解決策の一番に持ち出す提案じゃないよなと。
(加えて新潟県のような降雪地域では天窓設置はかなり特殊な事例)
建設業に係わってるため、動画を見てすぐこんな疑念を抱きましたが、
人は何にも知識を持たない領域の事柄については最初に触れた情報が正しいものだと捉える傾向があるかなと思います。
YouTubeだとコメント欄で第3者の意見も確認できますが、当該動画のコメント欄は動画の内容を肯定するものがほとんど。
私が見た動画は”居心地の良いリビング作りの組み立て方がちょっと変”。程度のものでしたが、もっと高いリスクを抱えた動画やサイトを基準に家づくりを始めたらと思うと怖く感じます。
(庇を短くすると建築コストに加えて固定資産税を軽減できます!傾斜地や旧河道は価格が安くプラン次第で狙い目!など)
3.ペレストロイカ人生づくり
最初にみた動画が正直イマイチだったため、色々と動画を漁ります。
その中で比較的公平に情報発信をしていると感じたのが
最初は「選んではいけない設備10選」とか、キャッチーな動画からアクセスしましたが、このチャンネルは家づくりの基本理念が確立されていて、その他の動画を見ても得られる情報は多かったと思いました。
平松社長の掲げる理念としては”家づくりは人生づくり”で、その理念、(多分)良い家を作り良い人生を作るために必要なこととして、
・イニシャルコストだけでなくランニングコストを含めたトータルコストで考える。
・住み心地の良い家を作る。
・住んでいる人の健康を守る住宅を作る。
といったポイントを大事にされているのかと感じました。
これらのポイントは今の時点においても引き続き重要な要素として捉えていると感じます。
4.引っ剥がしてプラウダ
そんな平松建築の動画で一番印象に残っているのがこの動画。
平松社長は高耐久な外壁を推奨していて、過去の動画では金属サイディングがイチオシとしています。
この動画も撮影当初の意図としてはおそらく、塗り壁や木製サイディングと比較して金属サイディングが優れているということを伝えたかったのだと思いますが、塗り壁も木製サイディングも剥がしてみたら庇が長かったこともあり下地がほぼ無傷。
テーマは外壁材の話の筈なのに、結論は庇の重要さになってしまっている動画です。
この動画で外壁を剥がしたあとの状態をありのまま伝えている姿をみて、この人の発信する情報は信頼してもいいのかなと感じるようになりました。
5.吉里吉里でいつも生きていたいから
建物は完成してしまうと、構造体など内外装で覆われる場所の状態を確認することは困難です。もし、何らかの不具合が生じていたとしても、それに気づくことができるのは多くの場合トラブルが発生した後のことになってしまいます。
現代において、住宅に求められる機能は増加の一途を辿っており、省エネ・再エネへの貢献や健康寿命を延ばすなど、環境保全から保健衛生とその幅も多岐に渡ります。
それらの要素が重要でありますが、そもそもの家が持つべき機能。つまり風雨から住民を守るということに着目すると耐久性の高い屋根、外装材。そして十分な長さのある軒はとても合理性の高いものだと感じられました。
先ほどの動画をみるまでは、木製サイディングという選択肢を考えたこともなかったのですが(商業建築や大手ハウスメーカーではまず扱わない)、建物が解体されるまでその役目を果たした木製外壁の姿をみて、ぜひ自分の家で採用したい。長い軒とセットでずっと自分の家を守ってほしいなと考え始めました。
そして、私たちの家づくりは居間と木製外壁、そして長い軒をキーワードに情報収集を進めていくのでした。